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スポットワークの注意点

 最近はスポットワークのCMをあらゆるところで見かけるようになりました。それだけ使用者にとっても労働者にとっても需要があるということなのでしょうが、一方でスポットワークに関するトラブルも増えているようです。そこで、今回はスポットワークに関する注意点を簡単に解説します。

そもそもスポットワークとは

 厚生労働省は、スポットワークは次のようなものであると定義しています。

  • スポットワークとは、短時間・単発の就労を内容とする雇用契約のもとで働くこととしています。
  • スポットワークには様々な形態がありますが、ここでは、スポットワークの雇用仲介を行う事業者が提供する雇用仲介アプリを利用してマッチングや賃金の立替払を行うものを対象とします。

 ここで重要な点は『雇用契約である』というところです。スポットワークについては、スポットワークのサービスを提供している事業者(スポットワーク提供事業者)から人材を派遣してもらうイメージがありますが、実際には派遣ではなく、サービス提供を受けた企業が労働者を直接雇用するものです。したがって、労働基準法などの労働関係法令が適用されることとなります。

よくあるトラブル

 前述したとおり、スポットワークの利用者には労働基準法などが適用されますので、賃金や労働時間に関する決まりは守らなければなりません。

 よくあるトラブルとしては、準備行為に対して賃金が支払われないことがあるようです。準備行為に関しては、厚生労働省が公開しているパンフレットには次のように書かれています。

事業主の指示により、就業を命じた業務に必要な準備行為(指定の制服への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(掃除等)を就業先内において行った時間などは労働時間に当たります。求人の際に、これら着替え等の時間も含めて始業・終業時刻を設定しましょう。予定した始業時刻より前に、事業主の指示により、就業を命じた業務に必要な準備行為(指定の制服への着替え等)などが発生した場合は、その時間を労働時間として取り扱ってください。なお、事業主の指示により待機を命じた時間も労働時間に該当することから、待機後の事由にかかわらず、事業主は待機時間に対する賃金を支払う必要があることに留意してください。

 以上のとおり、制服への着替え時間などは労働時間に含まれますので注意が必要です。

まとめ

 スポットワークは使用者にとっても労働者にとっても便利なものですが、思わぬトラブルの原因ともなりかねません。そのようなことにならないように、特に事業主の方はご注意ください。

 とはいえ、具体的にどうすればいいのかわからない、労働基準法のことなんてちんぷんかんぷん、という事業主もいらっしゃることでしょう。そのような方はぜひとも一度アイビス社労士事務所へご連絡ください。スポットワークのことでトラブルにならないようアドバイスをいたしますのでよろしくお願いいたします。